目次 (参照される項目をクリックしてください)
関連法規改正のポイント
1.次世代育成対策推進法改正のポイント
2.育児・介護休業法改正のポイント
3.労働基準法一部改正のポイント
(関連法規改正のポイント)
1.次世代育成対策推進法改正のポイント・・(平成21年4月1日施行)
☆.改正のポイント①・・・一般事業主行動計画の公表と従業員への周知が義務化されました!
① 従業員が301人以上の企業は平成21年4月1日以降義務
② 従業員が101人以上300人以下の企業は平成23年4月1日以降義務(平成21年4月1日以降努力
義務)
③ 従業員が100人以下の企業は、平成21年4月1日以降努力義務となりました。
* 従業員の仕事と子育ての両立を支援する為の雇用環境の整備等について事業主が策定する計画で
す。
◎ 対象となる事業所
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平成21年3月31日まで |
平成21年4月1日以降 |
平成23年4月1日以降 |
301人以上企業 |
義務規定なし |
義 務 |
義 務 |
101人以上300人以下企業 |
義務規定なし |
努 力 義 務 |
義 務 |
100人以下企業 |
義務規定なし |
努 力 義 務 |
努 力 義 務 |
◎ 公示方法 →下記のいずれかにより行ってください。
① インターネットの利用・・・例えば、「両立支援のひろば」の利用(掲載料無料)
( http:// www. ryouritsushien. jp / )
② 自社のホームページへの掲載
③ 日刊紙への掲載
④ 滋賀県ワーク・ライフ・バランス推進企業登録に伴う県HPへの掲載 など
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◎ 従業員への周知方法 →下記のいずれかにより行ってください。
① 事業所の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること
② 書面を従業員へ交付すること
③ 電子メールを利用して従業員へ送信すること
④ その他の適切な方法
例えば磁気テープ、磁気ディスク、その他これらに準ずる物に記録し、かつ各作業場に従業員が当該記録
の内容を常時確認できる機器を設置し、従業員に当該機器の操作の権限を与えるとともに、その操作の方
法を従業員に周知させること等により、従業員が一般事業主行動計画を随時確認することができるように
すること。
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◎ 公表及び従業員へ周知すべき事項
* 一般事業主行動計画自体を公表及び従業員へ周知することが必要で、一般事業主行動計画の概要では
義務を果たしたことにはなりません
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◎ 公表及び従業員へ周知する時期
① 一般事業主行動計画を策定した時
② 一般事業主行動計画を変更した時
(計画期間、目標または次世代育成支援対策の内容<既に届出ている事項に変更を及ぼすような場合
{事項の廃止、新たな事項の追加等}に限る。>について変更する場合)
→ いずれも、おおむね3か月以内に公表及び従業員への周知が必要です。
③ 一般事業主行動計画を変更した時(上記②以外の場合)
→ 1年以内を限度として、他の部分の変更の機会に一括して公表及び従業員への周知をしても差し支え
ありません。
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☆.改正のポイント②・・・一般事業主行動計画の策定・届出義務企業が拡大します!
一般事業主行動計画の策定及び届出が、平成23年4月1日以降、従業員数が101人以上
の企業について義務となります。(平成23年3月31日までは301人以上の企業について義務)
なお、一般事業主行動計画の策定については、滋賀労働局雇用均等室(お問合せ先等について
は裏表紙をご覧ください。)のほか、次世代育成支援対策推進センター(社団法人 滋賀経済産
業協会内)でも相談・援助を行っています。
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平成23年3月31日まで |
平成23年4月1日以降 |
301人以上企業 |
義 務 |
義 務 |
101人以上300人以下企業 |
努 力 義 務 |
義 務 |
100人以下企業 |
努 力 義 務 |
努 力 義 務 |
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2.育児・介護休業法改正のポイント・・(平成22年6月30施行)
少子化の流れを変え、男女ともに子育てや介護をしながら働き続けることができる社会を目指して、
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部
を改正する法律(以下、「改正法」といいます。)が平成21年6月24日に成立、平成21年7月1日に
公布されました。
改正法の施行日は平成22年6月30日です。 ただし、下記(5)の「法の実効性の確保」に関する
規程のうち、調停については、平成22年4月1日、その他については平成21年9月30日に施行済です。
(注)常時100人以下の労働者を雇用する企業の施行期日については(7)をご覧ください。
(1)①子育て中の短時間勤務制度及び、②所定外労働(残業)の免除の
義務化
現 行 |
改 正 後
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3歳までの子を養育する労働者
について、短時間勤務制度・所定
外労働(残業)免除制度などから
1つ選択して制度を設けることが
事業主の義務
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①3歳までの子を養育する労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制
度(1日6時間)を設けることが事業主の義務となりました。*
②3歳までの子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働(残業)が
免除されます。
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*短時間勤務制度については、少なくとも「1日6時間」の短時間勤務制度を設けることが義務となります
が、その他いくつかの短時間勤務のコースを設けることも可能です。
*雇用期間が1年未満の労働者等一定の労働者のうち、労使協定により対象外とされた労働者は適用除
外。
(2)子の看護休暇制度の拡充
現 行 |
改 正 後
|
病気・けがをした小学校就学の始
期に達するまでの子の看護のため
の休暇を労働者1人あたり年5日取
得可能
|
休暇の取得可能日数が、小学校就学前の子が1人であれば年5日
2人以上であれば年10日になりました。
取得事由に、「負傷し又は疾病にかかったその子の世話を行う」
ことに加え、「子が予防接種又は健康診断を受けさせること」が追加
されました。
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(3)父親の育児休業の取得促進
①パパ・ママ育休プラス(父母ともに育児休業を取得する場合の休業可能期間の延長)
現 行 |
改 正 後
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父も母も、子が1歳に達するまで
の1年間、育児休業を取得可能
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父母とも育児休業を取得する場合、休業可能期間が1歳2か月に
達するまでに延長されました。
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*父の場合、育児休業期間の上限は1年間。
母の場合、産後休業と育児休業の期間を合せ1年間。
* パパ・ママ育休プラス
②出産後8週間以内の父親等の育児休業取得の促進
現 行 |
改 正 後
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育児休業を取得した場合、配偶
者の死亡等の特別な事情がない
限り、再度の取得は不可能。
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配偶者の出産後8週間以内の期間内に、父親等が育児休業を取得し
た場合には、特別な事情がなくても、再度の取得が可能となりました。
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③労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止
現 行 |
改 正 後
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労使協定を定めることにより、
配偶者が専業主婦(夫)や育児
休業中である場合、労働者から
の育児休業の申し出を拒むこと
ができる。
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現行制度を廃止し、専業主婦(夫)、家庭の夫(妻)を含め、すべ
ての労働者が育児休業を取得できるようになりました。
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(4)介護休暇の新設
【新設後】
労働者が申し出ることにより、要介護状態(*1)の対象家族(*2)が1人であれば年5日、2人以上であれば
年10日、家族の介護や通院の付き添い等の世話を行うため、介護休暇を取得できるようになりました。(*3)
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*1 負傷、傷病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり、常時介護を必要
とする状態。
*2 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母及び
子、配偶者の父母、同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫。
*3 雇用期間が6か月未満の労働者等一定の労働者のうち、労使協定で休暇を取得できないものとさ
れた労働者は適用除外。
*4 この介護休暇のほか、現行の介護休暇(要介護状態にある対象家族1人につき、要介護状態ごと
に1回、通算して93日まで取得可能)が取得できます。
(5)法の実効性の確保
① 苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みの創設
育児休業の取得等に伴う労使間の紛争等について、滋賀労働局長による紛争解決の援助及び調停
委員による調停制度を設けます。
② 勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告せず、または虚偽の報告をした者に対
に対する過料の創設。
法違反に対する勧告に従わない企業名の公表制度や、虚偽の報告等をした企業に対する過料の制
度を設けます。
(6)その他
① 育児・介護休業申出に対する事業主による休業期間等の通知義務
○ 労働者より育児・介護休業の申出、撤回、期間変更申出があった場合、事業主は一定の事項に
ついて、労働者に通知する義務。
② 不利益取扱いの禁止
○ これまでの育児・介護休業及び看護休暇に加え、申出及び取得を理由とする不利益取扱いが禁
される対象が追加(介護休暇、育児所定外労働免除、育児短時間勤務制度、育児・介護時間外
労働制限、育児・介護深夜業制限もその対象となる)
③ 育児時間外労働制限に係る専業主婦(夫)除外規定の廃止
○ 専業主婦(夫)の夫(妻)などであっても時間外労働の制限が請求可能に。
④ 育児休業の再度取得要件の見直し
○ 育児休業の再取得が認められる要件が追加。
・子が負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により2週間以上の期間にわたり世話を必要
する状態になったとき。
・保育所における保育の実施を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われないとき。
⑤ 育児休業等の申出事項及び申出方法の見直し
○ パパ・ママ育休プラスの申出については、本人の休業開始予定日が、配偶者の休業の初日以降
である事実が追加。
○ 育児・介護休業、育児所定外労働免除、育児・介護時間外労働制限及び深夜業制限について、
事業主が適当と認める場合は、ファックス又は電子メールによる申出も可。
(7)常時100人以下の労働者を雇用する企業の実施期日
常時100人以下の労働者を雇用する企業について、次の規程の施行期日は平成24年7月1日です。
① (1)①の短時間勤務制度の義務化
② (1)②の所定外労働(残業)の免除の制度化
③ (4)の介護休暇の制度化
ご存知ですか!!
1.妊娠または出産してこと、産前産後休業または育児休業等の申し出をしたこと、または取得したこと
等を理由として、解雇その他不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されています。
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2.育児休業の申し出の方法は法律で定められています。 必ず明らかにする事項は下記のとおりです。
① 申し出の年月日
② 労働者の氏名
③ 申し出に係る子の氏名・生年月日及び労働者との続柄
④ 休業開始予定日及び休業終了予定日
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3.事業主の皆様は、育児休業等の取得に必要な手続きを就業規則等に定める必要があります。
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3.労働基準法の改正のポイント・・(平成22年4月1施行)
長時間労働を抑制し、労働者の健康管理や、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図る
ことを目的として、「労働基準法の一部を改正する法律」が平成20年12月12日に公布され、平成
22年4月1日から施行されました。 改正のポイントは下記のとおりです。
① 時間外労働の割増賃金率が引き上げられます。
(中小企業については、当分の間、適用が猶予されます)
★1か月に60時間を越える時間外労働を行う場合・・・50%以上
(改正法第37条第1項、第138条)
● 1か月60時間を超える時間外労働については、法定割増賃金率が、現行の25%から50%に
引き上げられます。(注1)
● ただし、中小企業については、当分の間、法定割増賃金率の引き上げは猶予されます。(注2)
(注1) 割増賃金率の引き上げは、時間外労働が対象です。
休日労働(35%)と、深夜労働(25%)の割増賃金率は変更ありません。
(注2) 中小企業の割増賃金率については、施行から3年経過後に改めて検討することとされて
います。
● 適用猶予される中小企業
・ 業種ごとに、①資本金の額または出資の総額、または②常時使用する労働者の数で判断。
・ 事業所でなく、企業単位で判断。
業 種 |
資本金または出資額 |
または |
常時使用する労働者数 |
小売業 |
5,000万円以下 |
または |
50人以下 |
サービス業 |
5,000万円以下 |
または |
100人以下 |
卸売業 |
1億円以下 |
または |
100人以下 |
その他 |
3億円以下 |
または |
300人以下 |
★割増賃金の支払いに代えた有給の休暇の仕組みが導入されます
(改正法第37条第3項)
● 事業場で労使協定を締結すれば、1か月に60時間を超える労働を行った労働者に対して、改正法
による引上げ分(25%から50%に引き上げた差の25%分)の割増賃金の支払いに代えて、有給
の休暇を付与することができます。(注1)
● 労働者がこの有給の休暇を取得した場合でも、現行の25%の割増賃金の支払いは必要です。
(注2)
(注1) この有給の休暇は、長時間の時間外労働を行った時から一定の近接した期間内に、半日
単位などまとまった単位で付与することが考えられますが、詳細は厚生労働省令で定め
られています。 労働者が実際に有給の休暇を取得しなかった場合には、50%の割増
賃金の支払いが必要です。
(注2) 労働者が実際に有給の休暇を取得しなかった場合には、50%の割増賃金の支払い
が必要です。
② 割増賃金引上げなどの努力義務が労使に課されます。
(企業規模にかかわらず、適用されます)
★限度時間(1か月45時間)を超える時間外労働を行う場合・・25%を超える率
● 「時間外労働の限度基準」(平成10年度労働省告示154号:限度基準告示)により、1か月に45
時間を超えて時間外労働を行う場合には、あらかじめ労使で特別条項付きの時間外労働協定を締
結する必要がありますが、新たに、
①特別条項付きの時間外労働協定では、月45時間を超える時間外労働に対する割増賃金率も
定めること。
②①の率は法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めること。
③月45時間を超える時間外労働を出来る限り短くするよう努めること・・が必要となります。(注1)
(注1) 労使は、時間外労働協定の内容が限度基準告示に適合したものになるようにしなければ
なりません。(労働基準法第36条第3項)
③ 年次有給休暇を時間単位で取得できるようになります。
(企業規模にかかわらず、適用されます)
改正法第39条第4項
● 現行では、年次有給休暇は日単位で取得することとされていますが、事業場で労使協定を締結
すれば、1年に5日分を限度として時間単位で取得できるようになります。(注1)(注2)
● 年次有給休暇を日単位で取得するか、時間単位で取得するかは、労働者が自由に選択すること
ができます。(注3)
(注1) 所定労働日数が少ないパートタイム労働者の方なども、事業場で労使協定を締結すれば
時間単位で取得できるようになります。
(注2) 1日分の年次有給休暇が何時間分の年次有給休暇に当たるかは、労働者の所定労働時
間をもとに決めることになりますが、詳細は厚生労働省令で定められています。
(注3) 例えば、労働者が日単位で取得することを希望した場合に、使用者が時間単位に変更す
ることはできません。
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(以上)