Q&A 第21回カイゼン大会質疑応答

SCREENセミコンダクターソリューションズ株式会社
質疑応答

Q1. BOP生産へ移行するにあたり、コンサルタントの指導は受けられましたか?

A. BOP生産に関してはコンサルタントの指導は受けていません。
現場改善でコンサルタントが入った時期もありましたが、大きな変革はすべて社内で進めていました。
各部門(設計・調達・製造・生産管理・営業)には独自のやり方があり、製造だけ見て変えることは困難です。
全体最適を図るには、トップの方針と実務メンバーの理解・実行が重要です。

Q2. 生産現場に対して、どのような説明や働きかけを行いましたか?

A. S3-3新工場立ち上げ時からBOP方式を導入しました。
初期の不備に対しては、現場からフィードバックをもらい都度改善。
時間と共に定着し、「新人作業者をすぐに入れられる」と評価されるようになりました。
熟練者には特注機のラインでスキルを活かしてもらっています。

株式会社 森田電器工業所
質疑応答

Q1. COBOTTA、ラズベリーパイを導入するにあたって、何と比較されましたか?

A. ① 人協働ロボット COBOTTA:小型・軽量で丸みのある安全なデザイン、異常時に即停止する機能が評価されました。
② ラズベリーパイ:MMIC様に精通者が在籍しており、弊社も生産性の見える化に興味があったため、導入を依頼しました。

Q2. プログラムの相談は誰にしましたか?

A. COBOTTA:メーカーの指導のもと基本プログラムを作成し、その後は社内で運用・改良。
ラズベリーパイ:MMIC様の指導を受けた後、ChatGPTも活用し、最終的には自分で作成できるようになりました。

Q3. ロボットの動作ルートはどのように作業者に認識させていますか?

A. 可動範囲が被る製品受け台の作業は手順書に基づき指導済。
信号タイミングと動作順序を定め、人とロボットが交錯しないよう設計されています。

Q4. 目標値を下回る要因と対策は?

A. ① 設備トラブルや部品不良 → 実績グラフを確認し早急に対応。
② 作業者の特性 → 工程の組み換えで最適化を図っています。

Q5. ラズベリーパイの安定性・保守性は?

A. トラブルはあるが、プログラム修正やファン装着で対策中。
接続不安定などの課題から、代替製品の調査とネットワーク環境の改善を検討中です。

Q6. 安全柵なしのロボットでの安全確保は?

A. 衝突・異常負荷検出機能や丸みのある設計、IO信号制御による動作制限で安全を確保しています。

Q7. 実績値の誤差と対策は?

A. 押し忘れや通信不安定時に誤差が発生。
実績画面に補正ボタン(⊕/⊖)を設置し、現場で調整可能としています。

Q8. MMIC活用における負担とプロジェクト期間は?

A. 月1回・半日×6回の指導で導入。追加5台も自社で設定。生産技術者は3名、計画から実行まで約7ヶ月。

Q9. データ取得対象工程数と使用したラズパイの台数は?

A. 8台のラズベリーパイで10ライン分を収集。基本的に1ライン1台で運用しています。

兵神装備株式会社
質疑応答

Q1. 5Sは改善後に後戻りしない仕掛けはありますか?また御社のような大企業だと、 設備等の不具合を纏めるプラットフォームもあるのでしょうか。 もしあるのであれば、 今回の製造指示書の機能とはどのような使い分けをされていますか?

A. とても難しいことですが、リーダーが時間をかけてマインドや文化を代えていくことが重要だと思います。また、愚直に5Sサイクルを回すことです。現場・職場が変わっていけば仕事が楽しくなる、そんな体験をしてもらうことも大切です。
・製造工程中に発生する不適合という理解でよろしいでしょうか?例えば、組立工程中に部品の不適合が発見された場合、その情報は「品質情報データベース」に入力され、追って原因究明と恒久対策を実施します。製造指示書システムにも、不具合情報を入力する機能は設けていますが、現在は「品質情報データベース」で管理・運用しています。

Q2. 電子指示書の導入までにどれくらいの期間がかかりましたか

A. 現状把握から稼働開始まで約1年半を要しました。特に、各担当者からのヒアリングには時間をかけ、業務の現状や課題の洗い出しを行いました。
また、いきなり電子化に移行するには多くの課題がある為、運用変更やマスター化も並行して実施しました。その上で、システム要件を明確化し、検討と試行を何度も繰り返し、課題を一つずつ解決しながら進めました。またシステムに慣れておられない方はテスト検証中の期間を使ってマンツーマン指導も同時に進め、現場担当者の方も納得頂いた上で稼働開始しました。

Q3. ねらった成果に届いたか、 想定していなかった成果にどんなことがあったか、 教えてください。

A. 結果的に、事前にねらっていた成果は到達することができたと考えています。当初は想定していなかった成果としましては、以下の通りです。
・各担当者へのヒアリングを通じて、部門間での業務プロセスや課題が明確になり、他の改善活動のヒントを得ることができました。
・システム導入準備のプロセスにおいて、協力体制が強化され、担当者間の関係性が向上しました。
・新たな業務フローや運用見直しを進める中で、従来抱えていた「属人化の解消」といった課題が解決されました。

Q4. 製造指示書システムは何処かへ外注されたのでしょうか?

A. 社内開発で構築しました。外注も考えましたが、検討していた要望をパッケージソフトに反映するのは難しい、また既存の社内システムとの連携が難しい、追加オプションの加算によりコストが膨らむといった課題がありました。システム仕様を柔軟に調整でき、社内リソースを活用できる社内開発で進めました。現場の要望を細かく反映し、既存システムとのスムーズな連携を実現することが可能となり、最終的にコストパフォーマンスを高めた決断となりました。

Q5. 製造工程で1サイクルが完了せず、 途中廃却品が出た場合はどうなりますか?

A. 製造工程において不適合品が発生した場合、当該製品はラインアウトとなります。その際には、先日の発表内容にもありました「品質情報データベース」に速やかに登録を行い、情報共有および不適合情報の蓄積、原因究明、恒久対策を行います。
また、社内で定められている異常連絡ルートに従い、速やかに関係者へ報告を行います。その上で、的確な指示を仰ぎ、適切な対応を実施しています。

Q6. 質問でなく感想です。 ユニバーサルな工程が今後の大きな課題と思います。

A. ご意見ありがとうございます。今後も負担が少ない工程にしていく必要はあると考えているので今後の活動で取り入れたいと考えています。

Q7. 5S活動を取り入れていく事に対し、 現場から反発の声はありましたか?

A. 私が入社したときには各チームで5S,改善活動の計画を考え、必要な時間を取って進めていくというサイクルができあがっていたので反発の声は聞いたことはありません。それぞれのチームで内容は違いますが、5S・改善活動を進め、報告しあい、評価しあうことで、お互い切磋琢磨する環境になっていると考えています。

Q8. 結果が出る秘訣とご苦労されたところは?

A. 秘訣は老若男女幅広いチームですが、それぞれの視点で意見を出し合い、それぞれの強みを生かして理想に近づけることができたからだと考えています。
・苦労した所は、ある程度の結果が出るまでは、それぞれのやる気に差があり、活動が遅延したことです。しかし活動が進んでいることを共有し現状を把握できたことで苦労は少しずつ解消されました。